こんばんは。普段は企画職として働きながら、心理学やコミュニケーションを研究している30代サラリーマンです。これまで数多くの会議や面談を経験し、「質問」の仕方ひとつで人間関係が変わる場面を何度も見てきました。
「質問をすると、つい尋問みたいに思われてしまう…」そんな悩みを抱えたことはありませんか?
本当は相手のためを思って聞いたはずの質問が、重苦しい空気を作ってしまう。家庭でも職場でも、誰しも一度は経験があるでしょう。
結論から言うと、質問は「詰問」ではなく「招待」として使うことで、相手は自然に心を開きます。この記事では、その具体的な方法を紹介します。
詰問と招待の違いを知る(質問の心理学)
結論:詰問は相手を追い詰め、招待は相手を安心させて考えさせる。
人は「なぜ?」と聞かれると、自分を正当化しようと防御的になります。心理学でも、責任追及を感じるとストレスホルモンが分泌され、会話が硬直することがわかっています(参考:Harvard Business Review https://hbr.org/2013/05/the-art-of-asking-questions)。
一方で「どんな工夫があれば?」「どうしたらもっとやりやすい?」と聞かれると、答えること自体が思考の招待になり、前向きな対話が生まれます。私自身も部下に「なぜ遅れた?」と詰めたときは沈黙が返り、「どうすれば次はスムーズに進むと思う?」と聞いたときは具体的な改善案が出てきました。
次の一歩:まず「なぜ?」を「どのように?」へ言い換えてみましょう。
柔らかい言葉を添えるテクニック
結論:ワンクッション置くだけで、質問は圧から招待に変わる。
「ちょっとお伺いしてもいいですか?」や「もしよければ教えていただけますか?」と前置きを入れるだけで、空気は大きく変わります。これはビジネス心理学でも“ポライトネス・ストラテジー”と呼ばれる手法で、相手の心理的安全性を守る効果があります。
実体験でも、妻に「なんで片付けないの?」と聞いたときは気まずい沈黙が生まれましたが、「どうしたら片付けやすいかな?」と問いかけたときは「棚を一つ増やそうか」と前向きな話し合いにつながりました。
次の一歩:質問の前に「もしよければ」をつけてみてください。
ネガティブをポジティブに変換する
結論:責める代わりに、未来を一緒に描くように聞く。
「またミスしたね」は詰問です。しかし「次はどうしたらもっと上手くいくかな?」は招待です。これは教育心理学でいう「フィードフォワード質問」と呼ばれ、相手に未来志向の考えを促す効果があるとされています。
私自身も新人の頃、上司に「何でできないんだ?」と問われて萎縮した経験があります。その一方で「君ならどう工夫できると思う?」と聞かれたときは、自分の考えを出す勇気が持てました。人は責められるよりも、招かれる方が力を発揮できるのです。
次の一歩:ネガティブな指摘をするときは、必ずポジティブな未来を一緒に描く質問に変換しましょう。
まとめ
質問は、相手を追い詰める「詰問」にも、考える場に招き入れる「招待」にもなります。違いをつくるのは、言葉の選び方と態度です。柔らかい言葉、安心感を与える前置き、未来を描かせるポジティブな質問。この3つを意識するだけで、あなたの質問力は格段に高まります。
次の一歩
- 「なぜ?」を「どのように?」に言い換える
- 質問に「もしよければ」を添えてみる
- ネガティブな指摘を未来志向の問いに変える
参考文献
- Harvard Business Review: The Art of Asking Questions (https://hbr.org/2013/05/the-art-of-asking-questions)
- 谷原誠『「いい質問」が人を動かす』ダイヤモンド社
- 公的研究:心理的安全性に関するAmy Edmondsonの論文(Harvard Business School)


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